更年期の胸の痛みに潜むリスクに用心!取り組んでおきたい7つの対策法

更年期の胸の痛みに潜むリスクに用心!取り組んでおきたい7つの対策法

「更年期に差しかかった辺りから動悸が起きて、胸が痛むようになった」「閉経後から胸の痛みが頻繁に起きるようになった」といった方々は多いかと思います。

 

更年期では様々な不調が起きますが、その中に胸の痛みがあります。これは、女性ホルモンの減少から自律神経のバランスが乱れ、以前よりも血管が収縮し、血流が悪化した事によって起きるのですが、疾患も違ってきます。

 

ここでは更年期に起こる胸の痛みと特徴、改善法、ほか胸の痛みについてご紹介します。

更年期に起こる胸の痛みの特徴

この時期に考えられる胸の痛みは、

 

  • 動悸
  • たこつぼ型心筋症
  • 微小血管狭心症

 

があります。

 

更年期では、体を休息させる『副交感神経』よりも、日中の活動や運動に関わる『交感神経』が優位な状態が続き、通常よりも自律神経のバランスが乱れてしまいます。その為、日常的に血管が収縮し、血圧も上がりやすい状態となる事から、このような胸の痛みに繋がる場合があります。

 

以下にて、各疾患についてご紹介します。

 

動悸による胸の痛み

動悸による胸の痛み

更年期では、心臓等の循環器に負担がかかるホットフラッシュが起きます。ホットフラッシュは、ほてりやのぼせ、発汗が主な症状で、動悸や頻脈が発生しやすくなります。動悸では心臓がドキドキした状態となりますが、症状が重くなると、胸の痛みとなる場合があります。

たこつぼ型心筋症による胸の痛み

たこつぼ型心筋症による胸の痛み

心臓を構成している心筋は、拡張期と収縮期を正常に繰り返すことで「ドクン、ドクン」と鼓動しています。

 

しかし、たこつぼ型心筋症では左心室の先端部分が収縮期でも収縮することができず、造影ではたこつぼの模様に見えます。たこつぼ型心筋症は閉経した女性に多くみられる疾患で、原因の1つに女性ホルモンの「エストロゲンの濃度低下」があります。

 

代表的な症状は、胸の痛み、心電図異常、呼吸困難などが挙げられ、急性心筋梗塞にも類似しているとされています。

 

ほか、強いストレスから発症する可能性も挙げられています。

微小血管狭心症による胸の痛み

微小血管狭心症による胸の痛み

読書や就寝前などの『安静時』に発症することが多く、痛みの種類は、締め付けや圧迫感、息が詰まる、針で刺されるといったもので、毎回同じとは限られていません。胸の広範囲が痛むとされ、5分〜半日程度続くこともあります。

 

更年期の女性、10人に1人がこの病気を発症する可能性があり、主な原因はエストロゲンの濃度低下で、閉経前後の方に多くみられます。

更年期の胸の痛み7つの対策法

更年期に起こる胸の痛みは、エストロゲンの分泌量の低下によって自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮した結果、血流が悪くなり発生している事もあります。

 

これらの胸の痛みを軽減・予防する上で欠かせないのが、自律神経のバランスにあります。具体的には、以下のような方法があります。

 

ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法は、飲む・貼る・塗るといった形でエストロゲンを外部から補充し、症状を緩和する治療法です。

 

ホルモン補充療法を行うことで、低下しているエストロゲンの濃度が更年期前のレベルに近づくため、更年期障害のあらゆる症状の緩和・改善が期待できます。

 

胸の痛みを始めとする更年期障害の治療ならば、健康保険を適用することができます。

 

ただし、不正出血やむくみ、乳房の張りなどの軽い副作用が出る場合もあります。ホルモン補充療法を始めて、すぐにこれらの副作用が現れることが多く、これは濃度が低かったエストロゲンが補充されることによります。長期間のホルモン補充療法で乳がんのリスクが増えるという指摘もありましたが、現在ではほとんど関係ないことが分かっています。

 

しかし、ホルモン補充療法は乳がんや子宮がん、血栓症の治療薬を処方されている場合、脳卒中や心筋梗塞などの循環器系疾患の既往歴がある場合は、受けることができません。

 

ホルモン治療に関する詳細はこちらからご確認下さい

 

漢方薬

更年期の治療|漢方薬

更年期障害の治療でよく処方する漢方薬に、全身の血行を良くする加味逍遙散(かみしょうようさん)があります。加味逍遙散は全身の血流を向上させ、体を温めながらもホットフラッシュ等による熱をさます効果があります。また、血行促進によって自律神経のバランスを整えることもできるので、服用によって緩和・改善する可能性もあります。

 

ただし、漢方薬といっても大量服用すると、むくみや血圧上昇、そのほか、肝障害といった軽い副作用も報告されているので、用法には注意しましょう。

 

更年期障害を緩和させる漢方薬については、以下をご参考下さい

 

食事やサプリメントによるホルモン補充

食事やサプリメントによるホルモン補充

大豆や大豆加工食品に含まれるイソフラボンはエストロゲンと似た働きをする成分です。

 

イソフラボンを摂取することで濃度が低下したエストロゲンの働きを補うことができ、更年期障害全般の改善をすることが可能です。

 

豆腐や味噌、豆乳などから摂取することができるほかサプリメントとして摂取することもできます。和食中心の食生活なら、食事から十分に摂取できるでしょう。バランスが偏った洋食中心の食生活、コンビニのお弁当などが多い場合は、食事から摂取することは難しいのでサプリメントを利用するとよいでしょう。

 

このほか、更年期で摂取しておきたい成分もありますのでご参考下さい。

 

CDHA、EPA

DHAとEPA

DHA、EPAともに魚に多く含まれる不飽和脂肪酸です。血流の改善に効果があり、特にDHAは赤血球を柔らかくして血液の流動性を高めます。血流改善に効果があるため、血流の悪化による胸の痛みを改善する働きが期待できます。

 

ストレス解消

ストレス解消

心身にストレスがかかると、交感神経が刺激され血管が収縮し、胸の痛みにも繋がります。ストレスが続くと、より血管収縮が起きる為、胸の痛みが増すことも考えられます。その為、理想はストレスの原因を元から断つことですが、難しい状況なら、ストレスを適度に発散して解消することが重要です。趣味やいつもと違うようなストレス発散方法を見つけると良いでしょう。

 

ストレスを軽減させる対処法に関しては、以下をご参考下さい。

 

ストレス軽減を促す物質「セロトニン」については以下よりご参考下さい。

 

運動

更年期におすすめの運動

運動をすると体がポカポカし、中止すると徐々に冷えて平熱に戻ります。この事からも、運動による体温調整は自律神経のバランスを整える働きがあります。継続的な運動は正常な体温調整を促し、交感神経が優位になることで発生する『更年期の症状を緩和・改善』する機能があります。

 

また、適度な運動による疲労感は、睡眠しやすい状態を作ります。睡眠時には副交感神経が優位になるため、自律神経のバランスは運動時の方が良い状態となる事は明らかでしょう。

 

運動においては、心臓への負担が少ない有酸素運動を取り入れましょう。ポイントは『1回の運動で、20分以上動き続けている事』です。ウォーキング、早歩き、ゆっくりとした水泳などが有酸素運動に入ります。1日1回、可能な時間帯に行うとよいでしょう。

 

運動前は、筋肉への負荷を避ける為、軽いストレッチを行ってから始めると良いです。

 

半身浴

更年期におすすめの半身浴

胸の痛みを始めとする更年期の諸々の症状を改善するには、38度程度のぬるめのお湯でみぞおちの辺りまで浸かる『半身浴』がおすすめです。半身浴は副交感神経を刺激して、交感神経に傾きがちな更年期の自律神経を調整する働きがあります。

 

40度を超える熱いお湯は、交感神経を刺激して血管を収縮させる作用があり、更年期では悪影響を与える可能性があります。

 

その為、睡眠前の熱いお湯やシャワーは眠りづらくなってしまうので、控える方が良いでしょう。

閉経後には心筋梗塞のリスクも隠れている

閉経年齢は平均で50歳前後とされ、その前後5年間が更年期の症状に悩むとされています。閉経後に胸の痛みで、胸の中央、もしくは左胸部に強い痛みが発生する場合は、心筋梗塞の可能性があります。ただし女性の場合は、背中や腹痛、呼吸が苦しいといった、心臓病と連想できないような症状を訴えたりします。

 

どちらにせよ、心筋梗塞は適切に対処しなければ命を失うリスクもある疾患です。これらの症状に思い当たりのある方は、1度病院で検査を受けるようにしましょう。

 

心筋梗塞の症状が発生したらすぐに救急車を呼ぶ

心筋梗塞の症状発生を感じたらすぐに救急車

 

閉経後は、閉経前よりも心筋梗塞の発症リスクが高いと言えます。この時期の女性ホルモンは減少傾向にあり、それに伴って血管収縮が起こり、動脈硬化が起こりやすい状態です。

 

心筋梗塞が起こると、その痛みは放散するため、胸だけではなく背中や肩にまで痛みが広がります。痛みは30分以上持続し、冷や汗や吐き気、呼吸困難といった症状も現れます。心筋梗塞では、血栓が原因で心筋の毛細血管が完全に閉塞してしまう為、栄養素や酸素の供給が途絶えます。すると、閉塞した先の心筋細胞が完全に壊死してしまい、その機能が失われます。

 

その為、胸部に今まで経験したことがないような強い痛みを感じたら、我慢せず救急車を呼ぶことが重要です。

 

心筋梗塞は、早急に医療機関で手術を受けることが必要です。閉塞した血管をもとに戻す手術を行って、血液の供給を再開させれば、心筋の細胞が壊死することを防ぐことができます。

 

心筋梗塞の前兆で「狭心症」が発症する場合もある

狭心症は心筋梗塞と同じく、血管が狭くなる事で心筋への血液の供給が滞り発症します。心筋梗塞が完全に血管の閉塞を招くのに対して、狭心症は血管が狭くなる事に留まります。

 

その為、狭心症では強い胸の痛みや胸が締め付けられる感覚、焼けつくような感覚がありますが、心筋は壊死せず、時間がたてば元通りになります。

 

狭心症は、薬物療法や血管を拡げる手術を行うことで改善することが可能です。適切な治療を施せば、心筋梗塞の発症リスクも下げることができるでしょう。

 

心筋梗塞、狭心症ともに、診療科は循環器科や循環器内科になります。

 

それぞれ症状に心当たりのある方は、早めの受診をおすすめいたします。

タバコや姿勢が悪いなどの生活習慣病が原因の胸の痛み

日々の生活習慣により、胸の痛みが生じてしまう場合もあります。胸の痛みを生じやすい生活習慣には以下のようなものがあります。

 

喫煙

更年期に避けたい喫煙

喫煙をすると血管が収縮してしまいます。更年期は交感神経の影響で血管が収縮しやすくホットフラッシュの症状が現れます。交感神経の影響を受けていて、さらに喫煙の影響まで加わるとさらに血管が収縮しやすくなりホットフラッシュの症状が重くなりがちです。ホットフラッシュはのぼせやほてり、発汗、動悸、息切れなどが代表的な症状ですが重くなると胸の痛みが発生する場合もあります。禁煙を心がけると改善されます。

猫背

更年期に避けたい猫背

猫背を始め姿勢が悪いと「肋間神経痛」の原因となります。肋間神経痛はせき髄がなんらかの圧迫を受けて痛みが生じる疾患です。肋骨に沿って痛みが生じることが特徴です。咳をしたり寝返りを打ったりしただけでも強い痛みが生じることもあります。痛みが我慢できず日常生活に支障が出る場合は鎮痛剤や痛み止めにより対症療法を行います。それらの薬が効きにくい場合は局所麻酔による神経ブロックを施す場合があります。診療科は整形外科になります。

骨粗鬆症

更年期に起こりやすい骨粗鬆症

更年期でエストロゲンの分泌量が低下すると、カルシウムが骨に沈着しにくくなる為、骨粗鬆症になりやすくなります。骨粗鬆症自体は、骨の強度が弱まり骨折しやすくなる疾患ですので、痛みはありません。しかし、肋骨が骨折することによって胸の痛みを生じる可能性があります。

 

骨粗鬆症が進行すると、咳やくしゃみでも肋骨が骨折する事がある為、注意が必要です。更年期の食事では、カルシウムが多い小魚やサクラエビ、乳製品を積極的に摂取したり、カルシウムの吸収を促進するビタミンDを摂取することが重要です。栄養摂取への配慮が難しい方は、サプリメントで足りないカルシウムを補給するのも効果的でしょう。

まとめ

  • 更年期はエストロゲンの濃度の低下や自律神経の乱れにより血管が収縮しやすい
  • 血管の収縮が胸の痛みを発生させている場合もある
  • 更年期による胸の痛みならばホルモン補充療法や漢方薬、生活習慣の改善で症状を軽減することができる
  • ただし今まで経験したことの内容な強い胸の痛みが生じた場合は心筋梗塞の可能性があるため早急に医療機関で治療を受けること

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