漢方を知って更年期障害を緩和させる方法まとめ

漢方を知って更年期障害を緩和させる方法まとめ

漢方薬って種類も多いし自分はどんな漢方薬を飲めばいいのか分からない、普通のお薬となにが違うの?と思ってる方は多いのでないでしょうか。

 

更年期になると、身体に様々な不調が同時に起こりますが、漢方は、その症状を1つの漢方薬で改善できると言われています。また、薬と比べ副作用になるリスクが低いのもよく使われている理由です。

 

その反面、現在日本の漢方薬は約160種類と言われ、本場中国では約80万種あると言われています。この中から自身に合った漢方薬を見つけるのはかなり大変です。

 

今回は、自身に合った漢方の選び方、正しい飲み方、漢方薬の注意点をまとめましたので、ご参考ください。

更年期に漢方が良い理由

漢方薬には、一般的な薬剤とは違い、天然の薬草等で作られている為、依存性・副作用が少なく、1つで様々な症状が改善するというメリットがあります。

 

更年期に漢方が良い理由

 

漢方は、もともと私たちが持っている「自然治癒力」高めることが目的です。

 

複数の生薬を組み合わせて作る「複合薬」なので、多くの成分を1度に摂取でき、1つの漢方で様々な症状を改善します。天然の薬草を使っているので、依存性も副作用も少なく、添加物もほぼありません。

 

一般的な薬は、症状や病気の原因を無くすことが目的です。

 

1つの有効成分を化学合成して作られていますので、症状をピンポイントで改善します。しかしその反面、作用が強すぎたりもともと身体にはない成分なので、身体が拒否反応を起こし副作用として現れます。

 

更年期症状は、「ホットフラッシュ」「めまい」「頭痛」「イライラ」「落ち込み」「身体全体の乾燥感」「むくみ」「関節痛」など、多くの症状が同時におこりますので、漢方のように1つの処方薬で様々な症状を改善する方が、治療に向いているのです。

 

しかし、漢方はその人に合ったものを使わないと効果を実感しにくいことと、効果が緩やかに上昇するので即効性がないというデメリットがあります。
次より詳しくご紹介いたします。

漢方の特徴

漢方薬には、3つの体質タイプがあり、身体が弱く、華奢な人のことを「虚証(キョショウ)」、血色が良く体力もある人のことを「実証(ジッショウ)」、そしてこの二つの間のような人を「中間証(チュウカンショウ)」と言い、タイプ別に処方される漢方薬が変わります。

 

実証タイプ虚証タイプ

 

例えば、血行を改善しホルモンバランスも整える効果がある漢方薬はたくさんあります。

 

その中でも、

 

「虚証」タイプの方は『加味逍遥散(カミショウヨウサン)』
「実証」タイプの方は、『五苓散料(ゴレイサンリョウ)』
「中間証」タイプの方は『桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)』

 

と言うように、体質によって処方される漢方が変わります。

 

また、更年期で症状が起こる原因のことを漢方では、「気・血・水」というような表現で表します。
一般的な原因と、漢方用語それぞれをまとめてみましたのでご参考ください。

 

漢方用語 原因 主な更年期の症状
「お血」「血虚」 血流が悪くなることで起こる 頭痛・肩こり・めまい・不眠など
「気逆」「気鬱」 自律神経が乱れることで起こる 火照り・ホットフラッシュ・動悸など
「水滞」「水毒」 水分調整が出来なくなったことで起こる むくみ・乾燥感・尿量が減るなど

 

漢方は、「体質タイプ」と「血・気・水」を組み合わせて処方箋が決められ、個人に合った漢方薬が出されます。

 

しかし、同じタイプ・症状でも、月経周期や周囲の環境などによって効果は大きく変わりますので、できることなら、病院で診てもらい処方箋を出してもらった方が、効果を得やすいと言われています。

体質で見る漢方薬の選び方

まずは、自身がどのような体質なのかチェックしてみましょう。

 

タイプ 実証タイプ 虚証タイプ
傾向 ・冷やすと気持ちがいい

・体温が高い
・血色が良い
・目が充血しやすい
・のどが渇きやすい
・便秘気味
・イライラしやすい
・汗っかき
・声が大きい
・体格はがっちりしている
・お腹が少し張った感じがする

・手足が冷たい

・血色が悪い
・肌が乾燥しやすい
・下痢がしやすい
・お腹が弱い
・むくみやすい
・疲れやすい
・落ち込みやすい
・声が小さい
・体形は華奢で線が細い
・食が細い

 

上記でどちらの体質傾向がある人は「中間証」タイプとなります。

 

今現在治したい症状と体質タイプをイラストでまとめてみました。ご自身にあった漢方を見つけてみてください。

 

症状別漢方薬

 

更年期に効果的な漢方薬の効能10選

漢方薬 効能と作用
温経湯

(ウンケイトウ)

血流を整えることで、症状を緩和させる(ホットフラシュやめまい、頭痛、冷え、乾燥感)
加味逍遥散

(カミショウヨウサン)

血液の循環を助ける。ホルモンバランを整える(更年期症状全般に効く)
柴胡桂枝乾姜湯

(サイコケイシカンキョウトウ)

身体の熱や炎症の改善。神経を癒して状態を良くする(精神面、不眠。血管を強くする。乾燥感の改善)
杞菊地黄丸

(コギクジオウガン)

肝臓や腎臓の機能を整え、目の症状に効果的
当帰芍薬散料

(トウキシャクヤクサンリヨウ)

血行を良くして温める。ホルモンバランスを整える(貧血気味の人、むくみ、肩こり)
釣藤散

(チョウトウサン)

頭痛や頭重感に効果が高い(血圧を整える。)
五苓散料

(ゴレイサンリヨウ)

水分の循環を良くし、無駄な水分を摂る(乾き、むくみ感。吐き気や下痢、便秘に効果高い)
苓桂朮甘湯

(リョウケイジュツカントウ)

水分循環や水毒を取り除く(めまい、動悸、頭痛、乾き)
葛根湯

(カッコントウ)

身体の腫れや痛みを取り除く(関節痛に効果を発揮。鼻づまりや鼻炎を抑える)
桂枝茯苓丸

(ケイシブクリョウガン)

血行を良くし熱バランスを整える(精神的以外の更年期症状全般)

 

漢方医が処方した漢方薬が1番良い

本来、漢方薬とは、『漢方医』という漢方に特化した専門家に診察してもらい、自分自身に合った漢方薬を調合してもらうものです。

 

しかし、現在日本にいる漢方医は約2200人ほどと少なく、地域によってはいない可能性もあります。

 

また、漢方医が処方する漢方薬は、その人に合ったその人だけに効果を発揮するように調合されています。

 

その上、高品質な薬草を使いますので、保険が適用されたとしても1か月分で最低1万円を超えます。

 

医師や薬剤師も漢方について詳しくはありますが、生薬を調合できるわけではありません。「ツムラ」などの製薬会社がすでに調合されている漢方薬が出されますので、価格も保険が適用され大体3000円ほどです。

 

その代わり、品質も普通ですし万人受けに作られているので、効果が出ない可能性があります。

 

漢方医が処方した漢方薬は、決して安いものではありませんが、漢方がピッタリと身体に合えば、1週間で効果が出ると言われていますので、一度お近くの漢方医を訪ねてみるのも良いです。

漢方薬の正しい飲み方と保存方法

漢方を知って更年期障害を緩和させる方法まとめ

 

漢方は、食前や空腹時にお茶のように飲むのが正しい方法です。食前に飲むと食欲がなくなるという方は、食後でも大丈夫です。
錠剤の場合は、砕いてお湯かぬるま湯に溶かして、時間をかけてゆっくりと飲みます。

 

しかし、漢方は苦く飲みにくいものが多く、ゆっくりと飲むのは少し辛いものがありますので、はちみつやブドウ糖を加えてみるのもお勧めです。これらを加えて効果が弱まることはないのでご安心ください。
ですが、牛乳やジュース、お茶などで飲むと効果が発揮されませんので避けるようにしましょう。

 

また、漢方薬は天然のものになりますので、直射日光は避け冷暗所などの湿気が少ないところで保存しましょう。品質が悪くなる可能性があります。

漢方薬の注意点

漢方を知って更年期障害を緩和させる方法まとめ

 

漢方薬は基本的に1日の摂取量の規定はありませんが、生薬の一種である『甘草(カンゾウ)』と『柴胡(サイコ)』に関しては、摂取量に気を付けなければなりません。

 

甘草は、血管の循環を良くしホルモンバランスを整える生薬のことで、甘く飲みやすいため、約8割の漢方薬に使われます。しかし、飲みすぎてしまうと「偽アルドステロン症」を引き起こす可能性が高くなります。

 

「偽アルドステロン症」とは、血圧をあげるホルモン「アルドステロン」が分泌されていないにも関わらず、血圧が上がり、高血圧やむくみ・しびれ・力が出ないなどの症状を引き起こす病気のことです。

 

もし、「しびれ」や「むくみ」「手足のだるさ」「力が出ない」などの症状が出た場合、使用を止めて、内科を受診しましょう。1日の甘草の摂取量は5gです。

 

柴胡とは、解熱や鎮痛作用の高い生薬のことで、更年期に効果的と言われる漢方によく用いられていますが、柴胡も摂りすぎると「間質性肺炎」を引き起こす可能性があります。

 

「間質性肺炎」とは、肺の機能が弱まり肺が固くなる病気のことです。上手く酸素を吸い込めなくなり、息苦しくなったリ動悸やめまいが起こります。

 

しかし、柴胡を飲みすぎて「間質性肺炎」を発症する割合は、10万人に4人ほどと言われており、1日の摂取量3〜9gを超えないように気を付ければ、更年期障害改善に対して大きな効果を発揮します。

 

漢方薬も、一般的な薬剤やサプリメントと同じように、様々なものを同時に飲むと副作用が出やすくなりますので、1種類ずつ使いましょう。

まとめ

漢方薬は、種類も多いですし作用も人によって変化しますので、薬に詳しい薬剤師さんでも効果を発揮する漢方を見極めるのは少々困難です。

 

自身にあった漢方を見つけるためには、自分を良く知ることが大切です。どのような体質を持っているのか、どんな症状が出ているのか、どういう考え方をするのかなど、自己分析が自身に合った漢方と巡り合うことが、更年期症状改善の近道となります。

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