早期の症状緩和に!更年期における閉経前後の変化と対策

早期の症状緩和に!更年期における閉経前後の変化と対策

「閉経したら更年期も終わるの?」「生理周期が乱れて出血が重いのは更年期だから?」といった悩みを持つ方は多くいらっしゃるかと思います。

 

更年期は閉経の時期にかかわらずやってくるもので、女性なら誰もが体験するものです。

 

ただ、閉経後では病気のリスクも増えるため、医療機関での検査や、更年期の症状が強い場合は、HRT(ホルモン補充療法)を勧められる事もあります。

 

ここでは、閉経の判断基準や閉経に伴う病気のリスク、更年期症状の緩和や改善に関する情報をご紹介しています。

 

今後の快適な生活のため、ぜひご参考頂ければと思います。

閉経の判断基準は「1年以上生理がない」か「消退出血が認められない時」

更年期の判断基準

 

閉経かどうかを判断する場合、主に以下の事項から確認ができます。

 

  • 1年以上生理がないこと
  • 黄体ホルモンを投与しても消退出血が認められないこと

 

このいずれかの場合、閉経と判断されます。

 

消退出血とは、2つの女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)が減少し、その際に子宮内膜も剥がれて出血する事を言います。生理もその1つですが、ピル服用による出血も消退出血とみなされています。

 

ほか、生理による排卵を境として、基礎体温の低温期と高温期がなくなる事があり、その後に安定した体温が続いている事でも、閉経の目安となります。

 

閉経は、女性が更年期の年代になることで卵巣の生殖能力が徐々に落ちていき、最終的には卵巣活動が停止し、生理がなくなることを指します。

 

閉経を迎える年齢は、50歳前後が平均となっており、その多くは50台半ばまでに閉経されます。

 

また、閉経前後の期間は、不正出血が起きる傾向にあります。これはエストロゲンの減少から子宮内膜が剥がれるため出血するのですが、多くの場合、自然経過と共に改善されます。
血液検査で閉経したかどうかの確認ができる

 

閉経したかどうかを確認したい場合、医療機関で検査を受けることができます。

 

閉経の確認方法としては、一般的には血液検査となり、「E2(エストラジオール)」と「FSH(卵胞刺激ホルモン)」、「LH(黄体形成ホルモン)のホルモン濃度から、閉経したかどうかを調べることができます。

 

血液検査後のホルモン濃度【閉経の確認】

検査項目 基準となる濃度
E2(エストラジオール) 女性ホルモンの一つであるエストロゲンの主要成分の一つ。

エストロゲンの分泌量と卵巣の性機能は、ほぼ比例関係にあるため、E2の血液中の濃度が約18pg/mlと低ければ、閉経と考えられる。

FSH(卵胞刺激ホルモン) 閉経後はFSHの血中濃度が高まるのが特徴。

女性の生理周期やエストロゲンの生成に関わるホルモンで、卵胞を発育させる作用もある。

LH(黄体形成ホルモン) LHは、排卵期と閉経後に血中濃度が高くなるホルモン。

排卵を促し、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンの分泌を促進させる。

更年期障害は閉経と関係なく発症する

更年期障害は、閉経と同時に終わるものではありません。

 

更年期障害の期間は、閉経前後を含めた約10年間となっており、閉経の平均年齢は50歳ほどとなりますので、45〜55歳の間は、心身の不調が続くものとされています。

 

更年期の期間

 

このほか、早期閉経(30〜43歳未満)もありますが、どちらにしても、更年期とは長期間付き合っていかなければなりません。

 

ここで、更年期障害の症状と症状が重くなる要因、症状緩和について触れていますので、ご参考になればと思います。

 

更年期症状・重くなる要因・症状緩和の一覧
更年期障害の症状

・のぼせ ・顔がほてる ・急な発汗 ・冷え ・頭痛 ・肩こり ・動悸 ・骨量の低下 ・いらいら ・精神的な不安 ・躁鬱 ・コレステロール値が高くなる

症状が重くなる要因

・ストレスの多いライフスタイル
・閉経後の約5年は、ホルモンバランスの崩れにすぐに対応できないため、症状は重く感じる
・PMS(月経前症候群)が重い
・母親や姉妹などで更年期障害が重い方がいる

症状緩和に繋がること

・生活改善
・女性ホルモンと似た働きをする栄養素の摂取
・ホルモン補充療法
・漢方薬

 

症状緩和の具体的な対策については、こちらをご覧ください

 

閉経前後の5年間

 

更年期障害の度合いについては、遺伝よりもライフスタイルの方が影響を及ぼす力が大きいです。

 

日常からストレスが多い方は、交感神経が常に刺激され、心身も緊張状態になりがちです。

 

また、血圧の上昇や不眠にもなりやすい為、更年期障害の症状も重くなりやすいと言えます。

 

どちらにしても、閉経後の約5年間は、更年期に差しかかっているのでしたら、その症状は強く現れる傾向にあります。

 

これは、ホルモンバランスが崩れた状態に慣れるまでの期間でもありますが、もし辛い場合、上記で紹介している『症状緩和に繋がること』を試していくと良いでしょう。

更年期で起こる閉経前後の身体の変化

更年期に差しかかる平均年齢が45〜55歳頃に対して、閉経はおよそ50歳となります。

 

つまり、「更年期の真っ最中に閉経が起こる」という可能性が高く、この時期は女性ホルモンが大きく乱れる事から、「生理不順」や「不正出血」、または病気リスクが高まってしまう事が考えられます。

 

その詳細を以下にてご紹介しますが、もし心当たりのある方や心配な方は、早めに受診される方がよいでしょう。

 

閉経前に生理不順が重くなる理由

閉経前に生理不順が重くなる理由

 

閉経と生理不順には密接な関係があります。

 

閉経は、体内の各種ホルモンの働きが徐々に弱くなっていく事で起こります。

 

その為、閉経前はホルモンバランスの崩れによって、生理不順が発生しやすく、重くなる傾向にあります。

 

生理周期はおよそ28日間で繰り返されますが、生理不順となった場合、数か月に1度や1年間に数回という生理周期になってしまいます。

 

ほか、ホルモンバランスの乱れから、不正出血や痛みも現れることがあります。

 

閉経前の生理不順は更年期障害に該当し、ほとんどの女性が経験するものですが、その症状が辛い場合は婦人科にて相談し、必要な療法を受ける方が良いでしょう。

 

閉経後に起こりやすい病気のリスク

閉経後は女性ホルモンのエストロゲンが低下するために、「委縮性膣炎」「子宮体がん」「高血圧」「骨粗鬆症」といった病気のリスクが高まります。

 

以下に病気ごとの症状をご説明します。

 

閉経後にリスクが高まる病気と症状

病名 病気の症状
委縮性膣炎 膣に炎症が発生し、排尿時の痛みや尿漏れ、膣の悪臭などが起こる病気です。

閉経によりエストロゲンの分泌量が低下すると、膣壁が薄くなってしまいます。また、乾燥もしやすくなるため、膣が損傷しやすくなり、この委縮性膣炎にかかる可能性が高くなります。
閉経した女性の半数近くが発症し、症状を訴える女性は約20%となっています。

子宮体がん 閉経をする年齢では、子宮の奥の方にある子宮体がんが多く発症します。

エストロゲンの刺激が発症に大きく関わるがんであるため、生涯の中で生理を経験すればするほど発症するリスクが高まります。通常は閉経後に生じ、50代から60代の女性に多く見られます。

高血圧 女性ホルモンであるエストロゲンが減少することで血管の内側である血管内皮の働きが弱くなります。血管内皮には高血圧の原因となるナトリウムを排出する作用を持つ一酸化窒素を生産しますが、閉経によってその働きも弱まってしまいます。結果、高血圧になりやすく、血管の疾患リスクも高まるため、心筋梗塞や脳梗塞などの原因にも繋がります。
骨粗鬆症 骨粗鬆症は骨がスカスカになってしまうことで、骨折しやすくなる病気です。

高齢で骨折すると、寝たきりの原因になってしまいます。エストロゲンは骨にカルシウムを定着させる働きもあります。しかし、閉経によりエストロゲンの分泌量が減少してしまうため、骨粗鬆症が発症しやすくなってしまいます。

 

病気は、発見が早いほどスムーズな治療が可能となります。

 

閉経後で上記の病気が気になる方、なぜか不正出血が続くという方は、婦人科や更年期外来での診察を受けるようにしましょう。

 

不正出血においては、単純に生理が終わっていなかったという事が分かったり、ほか病気が見つかる可能性もあるでしょう。

閉経後に行うホルモン補充療法の効果と注意点

更年期障害の緩和や改善では、女性ホルモンを補充する「HRT(ホルモン補充治療法)」は有効な手段です。

 

このHRTは、閉経で減少したエストロゲンの補充をするため、更年期障害の症状改善に大きな効果を発揮します。

 

しかし、リスクが伴う事から慎重になる必要がある事と、HRTを行ってはいけない方もいらっしゃいますので、注意が必要です。

 

HRTは、閉経後2年以内に治療を開始した場合、心筋梗塞は増加しませんが、2年以上経過してからの治療では、若干の心筋梗塞や脳梗塞のリスクが存在します。

 

ほか、「HRTの服用を避けるべき方」と「服用では注意が必要な方」をまとめましたのでご参考下さい。

 

HRTの服用が禁忌 服用に注意が必要
・重度の肝疾患

・乳がん、子宮体がん罹患者
・心筋梗塞などの既往
・脳卒中の既往
・急性血栓性静脈炎や静脈血栓塞栓症の既往

・子宮体がんの既往

・卵巣がんの既往
・60歳以上、もしくは閉経後10年以上の新規投与
・血栓症のリスクを有する場合
・慢性肝疾患
・重度の高トリグリセリド血症
・糖尿病や高血圧

 

更年期障害が辛い方は、HRTは高い効果を発揮する療法ですが、上記のように、服用してはいけない方と注意が必要な方もいらっしゃるので、服用の際は、医師と念入りな相談を行いましょう。

まとめ

  • 閉経の判断は「生理が1年以上ない」「黄体ホルモンを投与しても消退出血が認められない」という場合
  • 閉経の平均年齢は50歳前後で、多くは50台半ばに迎えている。
  • 医療機関なら血液検査で閉経かどうか分かり、他の病気リスクも検査できる
  • HRT(ホルモン補充療法)は緩和や改善に役立つが、服用できない方や医師との相談が必要な方がいる

関連ページ

■ 更年期で誰もが乱れる生理周期の原因と対策法
更年期に起こる生理周期の乱れ、その原因と対策法についてご紹介しています。更年期では生理〜閉経まで起こりますが、この時から生活習慣の見直しをしておく事をお勧めします。
■ 更年期から起こった腹痛や下腹部痛の対処ガイド
更年期に起こる腹痛や下腹部痛、便秘や下痢について、対処法をご紹介しています。
■ 更年期の症状に役立つイソフラボンの種類とサプリ
イソフラボンが更年期の改善に効果的なこと、アグリコン型イソフラボンの重要性についてご紹介しています。それ以上に重要なエクオールの存在と効率的にエクオールが摂取できるサプリもご紹介しています。
■ 更年期の髪トラブル対策と避けるべきヘアケア
更年期に起こる「抜け毛」や「乾燥」といった、毛髪トラブルの対策についてご紹介しています。また、誤ったヘアケアについても説明しています。悪化させたくない女性は必見です。
■ 更年期の胸の痛みに潜むリスクに用心!7つの対策法
更年期から起こった動悸や胸の痛みの改善ガイド。胸の痛みにはどんな症状があるか、それぞれベストな対策はあるのかについて詳しく説明しています。
■ 更年期で高血圧となった時に行いたい4つの対策
更年期に起こる高血圧とその対策法についてご紹介しています。また、更年期の血圧の特徴についてもまとめています。今後の対策にお役立て下さい。
■ 乾燥が悪化する更年期の過ごし方と対策法
更年期に起こる乾燥感やかゆみについて、どのような対策をすればよいか記載しています。辛い乾燥とかゆみの対策としてご活用下さい。
■ 更年期に摂るべき効果的な食べ物と栄養素5選
更年期に不足しがちな栄養素「カルシウム」「マグネシウム」「レシチン」「ビタミンD」「ビタミンE」が豊富に含まれる食べ物をご紹介いたします。また、これらの食材を使った美味しいレシピもご一緒に参考にして頂ければと思います。
■ 急なホットフラッシュに悩まないレベル別の対処法
更年期に起こるホットフラッシュの原因と症状、レベル1〜3に分けられた対処法についてご紹介しています。ほか、化粧崩れや服の汗シミ予防についてもご参考下さい。
■ プラセンタで更年期対策!高純度・高品質品の選び方
更年期障害の治療としても使われるプラセンタの選び方。高品質・高重度を基準に良質なプラセンタを選ぶコツ4つをご紹介いたします。プラセンタに含まれる成長因子が更年期障害を緩和してくれます。
■ トリプトファンサプリの効果と選び方の手引き
不眠を和らげる効果があるトリプトファンサプリメントをご紹介しています。効果的な飲み方や副作用まで全て。
■ 睡眠の質を向上するトリプトファンの上手な摂取方法
更年期障害や不眠症に効果的なトリプトファンの効能や効果的な摂取方法を紹介します。トリプトファンがどのように体の中で吸収されているのかを知ることができます。
■ 更年期障害に効果が期待出来るアロマ全14種!活用マニュアル付
アロマの効能を知って更年期を和らげる方法をご紹介いたします。アロマの最大限楽しむ方法や注意することなどをまとめました。
■ すぐにできる!更年期うつの対処法と改善方法まとめ
更年期障害で起こるうつ症状の対策やうつ病との違い、更年期うつ以外の病気の可能性などをご紹介しています。
■ 漢方を知って更年期障害を緩和させる方法まとめ
更年期における漢方薬の選び方、服用方法をご紹介しています。なぜ、漢方が更年期に良いのかという理由や漢方の副作用をまとめてます。
■ ズキズキを和らげる!更年期で頭痛が起こる原因と治し方
更年期からくる頭痛の判断基準と原因。頭痛の緩和法。病気のサインとなる頭痛の見分け方を記載しています。
■ 更年期のめまい緩和の近道に!予防法と関連する病気まとめ
更年期によるめまいの予防法。貧血との違い。めまいから来る病気をまとめました。
■ 良質なエクオールサプリメントの選び方
更年期対策において注目度が高いエクオールサプリメント。その選び方や良質なエクオールの基準をまとめました。更年期による様々な症状の緩和を目指したい女性におすすめです。
■ ドンヨリSTOP!更年期障害対策の為の女性ホルモン補充方法
40代からの更年期障害の症状の原因と、体の不調を整えるために最適な女性ホルモンの補い方や治療についてまとめました。
■ 更年期だけじゃない、その忘れっぽい症状の対策ガイド
「最近、忘れっぽい」と感じ、これは更年期のせいでは?思っている方の為にまとめられた記事です。忘れっぽい症状と更年期による忘れっぽい状態、認知症との違いについても解説しています。
■ じわっと更年期症状を和らげる成分!サポニンの働きと摂取法
サポニンが更年期にどんな効果を与えるのかをまとめています。ほか、サポニンが含まれる食材、効率的な摂取方法、注意点や副作用についてもご紹介しています。
■ 今日からできる!更年期のイライラ・うつうつ完全ケアガイド
更年期のイライラやうつうつの解消法。女性がイライラするメカニズムやイライラを段階別に分け、対処法を紹介しています。
page top